CNCPSとは、Cornell Net Carbohydrate and Protein Systemの略で、コーネル大学により開発された乳牛の飼料評価・設計プログラムのことを指します。1991年に最初のバージョンが発表されて以来、2015年にバージョン6.55がリリースされ、現在に至っています(下図、RU.M.&N. sas 社Raffrenato博士提供)。

バージョン7の理論研究は2014年に終了しており(Higgs, 2014)、NDSにも部分的に取り入れられてきています。

 

 

 

 

名称に、Carbohydrate and Protein Systemとあるように、このプログラムは主として炭水化物と蛋白を評価しています。代謝エネルギーと代謝タンパクが乳量を左右する主因子(第一制限因子)とした上で、研究成果に基づいたアルゴリズム(算出方法)を取り入れており、最も汎用されているプログラムです。

同プログラムの特徴は、炭水化物の消化率、炭水化物と蛋白の分画化、未消化部分の測定法、そして、繊維に結合した窒素測定など、他の飼料評価・設計プログラムには無い独自の分析方法と定義を採用している点です(Daniel et al., 2020)。それによって、精度の高い飼料評価と設計を可能にしています。

また、バージョンを経るに従って、実状を正確に予測する機能(モデルキャリブレーション)が向上しています。評価段階においては改善点が見出し易くなり、設計段階においては、過剰給与に繋がる安全ファクタを使用しない設計を可能にしています(下図、NDS上のキャリブレーション画面)。

 

 

 

下図に、CNCPSの全体像を概略図式化しました(RU.M.&N. sas 社Raffrenato博士提供)。

点線部Before CNCPSは、飼料分析などのインプット部分を、After CNCPSは、代謝可能な栄養素といったアウトプット部分を示しています。この図から、CNCPSはインプット情報を元に計算し、アウトプットを算出しているプログラムであると理解できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飼料に関するインプット項目のうち、モデル乳量に大きく影響を及ぼすのは、NDF、CP、NDFのKd、

および澱粉のKdであることが明らかになっています(下図、Higgs et al., 2015)。

すなわちそれらの値によって、モデルと実測の適合度合が大きく左右される可能性があるため、もし値が合理的でなければ、補正が必要となる場合があります。

同様に、体重などの牛のインプット情報もアウトプットに影響をあたえます。

実測を100%把握するプログラムはありませんので、CNCPSの特性をよく理解した上で、インプットを確認・補正しつつ、アウトプットの評価をして行く必要があります。​

CNCPSの変遷
CNCPS概略図
CNCPSと分析値
CNCPSと消化率
NDS キャリブレーション